■介護の現場でのことを考えてみる
介護の現場でよくみられることについて考えてみようと思います。
これは一例であり、すべての場合に当てはまるというものではないです。
その方の心身の状態にもよります。
あなたが施設のヘルパーで
目の前に立ち上がろうとされているご入居者が居るとします。
「どうしますか?」
◎ポイント①:「1秒の待ち」が、自立を奪わない魔法
この瞬間、ヘルパーは「手を貸すべきか迷う」わけです。
ここで1秒だけ待つとどうなるか。
・自分で前傾姿勢に移る
・膝に力が入る
・手すりを掴みにいく
ご本人が"自分で動き出す"チャンスが生まれます。
◎ポイント②:1秒待つと「自主運動のスイッチ」が入る
人間の意思決定は
0.5〜1.5秒で筋肉の指令が脳から送られる
と言われています。
つまり"1秒待つ"という行為は、
→ 脳の指令が筋肉に届くのを待つ
→ ご本人の「やろう」という意思を尊重する
→ 自主運動が入り、ADL維持になる
◎ポイント③:人は"揺れながら"歩いている
ご存じでした?
人間って実は、完全に安定して歩いているんじゃないんです。
ほんの少し前に重心がズレて、
そのズレを取り戻すために足を出して、
またズレて、
また足を出す。
----この"揺れるゲーム"が歩行。
だから介助のときに"ガチッと支えて"しまうと、
ご本人の"ゆらぎ"が消えちゃうんです。
ゆらぎが消えるとどうなるか?
歩く能力が落ちます。
そう考えると恐ろしくも感じます。



