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機能訓練とは?リハビリとの違いや機能訓練メニューの具体例をご紹介

機能訓練とは?リハビリとの違いや機能訓練メニューの具体例をご紹介

機能訓練とは?リハビリとの違いや機能訓練メニューの具体例をご紹介

「機能訓練とはどんな訓練だろう?」
「機能訓練とリハビリの違いがよくわからない」

このような疑問をお持ちではありませんか?

機能訓練は、高齢者が日常生活を送る上で必要な心身機能の維持・向上を目指す訓練です。 医療行為であるリハビリとは異なり、医師の指示がなくても受けることができます。

この記事では、機能訓練の目的や内容、リハビリとの明確な違い、そして具体的な訓練メニューについて詳しく解説します。

機能訓練とは

機能訓練を行う高齢者

機能訓練とは、高齢者が可能な限り自立した日常生活を送れるように支援するための訓練です。 主にデイサービスや特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの介護施設で提供されています。

機能訓練の目的は日常生活の動作を維持すること

機能訓練の主な目的は、食事や着替え、歩行といった日常生活に必要な身体機能の維持および向上です。 ご本人の心身の状態や希望、ご家族の意向などを踏まえて個別の計画書を作成し、要介護状態になっても自立した生活を長く送れるようにすることを目標とします。

機能訓練指導員が提供する

機能訓練は、専門職である「機能訓練指導員」が計画の作成や実施を行います。 機能訓練指導員になれるのは、以下のいずれかの国家資格を持つ者です。

  • ✓理学療法士
  • ✓作業療法士
  • ✓言語聴覚士
  • ✓看護師・准看護師
  • ✓柔道整復師
  • ✓あん摩マッサージ指圧師
  • ✓はり師・きゅう師(※)

※はり師・きゅう師については、他の資格と異なり、機能訓練指導員を配置した事業所で半年以上の実務経験が必要です。

個別機能訓練加算について

デイサービスなどで、利用者一人ひとりに合わせた個別の機能訓練を実施する場合、介護保険のサービス費に加えて「個別機能訓練加算」という追加料金が算定されます。この加算には、主に以下の2区分があります。

個別機能訓練加算(Ⅰ)

機能訓練指導員の配置体制に応じて(Ⅰ)イと(Ⅰ)ロに分かれます。

項目 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ
1日あたりの単位数 56単位 85単位

参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について

個別機能訓練加算(Ⅱ)

(Ⅰ)に加えて、訓練計画などの情報を厚生労働省のデータベース「LIFE」に提出し、フィードバックを活用してサービスの質向上に努めている場合に算定されます。

項目 個別機能訓練加算(Ⅱ)
1カ月あたりの単位数 20単位

参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について

機能訓練とリハビリの違い

リハビリを受ける高齢者

機能訓練とリハビリ(リハビリテーション)は混同されがちですが、目的や実施者、根拠となる制度が異なります。

項目 機能訓練 リハビリ
医師の指示 不要 必要
実施者 機能訓練指導員 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
目的 日常生活に必要な機能の
維持・向上
病気やケガで損なわれた機能の
回復・改善
根拠制度 介護保険 医療保険・介護保険

最大の違いは、リハビリが医師の指示に基づいて行われる医療行為であるのに対し、機能訓練は介護保険の範囲内で日常生活の維持を目的として行われる点です。

機能訓練メニューの具体例

体操をする高齢者たち

介護施設で実施される機能訓練の具体的なメニュー例をご紹介します。

  • ✓歩行練習:平行棒や手すりを使い、バランス感覚や筋力を鍛えます。
  • ✓タオル体操:タオルを使って、普段動かさない肩周りなどの筋肉を無理なく伸ばし、血行を促進します。
  • ✓指体操:指を一本ずつ曲げる・伸ばすといった簡単な動きで脳を活性化させ、認知症予防を目指します。
  • ✓口腔体操:舌や頬の筋肉を動かすことで、飲み込む力を維持・改善し、誤嚥性肺炎を予防します。
  • ✓食事動作訓練:箸を使い、スポンジやおはじきなどをつかむ練習を通して、指先の細かな動きを維持します。

デイサービスで個別機能訓練を受ける流れ

計画書を確認する様子

デイサービスで個別機能訓練を受ける際の一般的な流れは以下の通りです。

  1. アセスメント(評価):機能訓練指導員がご自宅を訪問し、ご本人・ご家族と面談。 生活状況や課題、希望などを聞き取ります。
  2. 計画書の作成と説明:面談内容を基に、目標や訓練内容を盛り込んだ「個別機能訓練計画書」を作成します。 内容の説明を受け、同意した上で訓練が開始されます。
  3. 訓練の実施と見直し:計画書に沿って訓練を実施します。 3カ月に1回以上の頻度で進捗状況を確認し、必要に応じて訓練内容の見直しが行われます。

「有料老人ホームスーパー・コート」で楽しみながら身体機能の向上を

スーパー・コートでトレーニングする入居者

有料老人ホームスーパー・コートでは、ご入居者様の健康維持・増進のため、独自のトレーニングプログラム「SC-Fit(スーパー・コートフィットネス)」を提供しています。

  • CGT (包括的高齢者運動トレーニング):専用機器を使い、生活に必要な筋力やバランス能力、柔軟性の向上を目指すトレーニングです。
  • チェアリズム:椅子に座ったまま、音楽に合わせて手足や体を動かす楽しい体操です。 他のご入居者様と交流しながら参加できます。

専門的な知識を持つ介護予防運動指導員が中心となり、お一人おひとりの体力に合わせたトレーニングを指導します。

有料老人ホームスーパー・コートでのトレーニングや体操の様子は、こちらの動画でもご覧いただけます。

身体機能の向上を目指せる有料老人ホームスーパー・コートへ、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修者

監修者の写真

花尾 奏一 (はなお そういち)

介護主任、講師

<資格>

介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

<略歴>

有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。

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