column

コラム

    公開日: 更新日:

認知症の方に適した老人ホーム選びのポイント!施設の種類や入居のタイミングを紹介

認知症の方に適した老人ホーム選びのポイント!施設の種類や入居のタイミングを紹介

「認知症の家族の介護、これからどうしよう?」「認知症があっても入居できる老人ホームはあるのだろうか?」
認知症のご家族を介護する中で、このような不安や疑問を抱えている方は少なくありません。
現在では、老人ホームに様々な種類があり、認知症の方を専門的に受け入れる体制を整えた施設も数多く存在します。
この記事では、認知症の方にとって最適な老人ホームを選ぶためのポイントや、おすすめの施設タイプについて解説します。
入居を検討すべきタイミングや、ご本人が入居に難色を示した場合の対処法もご紹介しますので、ぜひ最後までお役立てください。

認知症の方の施設入居は、在宅介護に限界を感じる前に

高齢の親の手を握る様子
認知症のご家族が老人ホームへ入居する最適なタイミングは、介護者が「自宅での介護に負担や限界を感じ始めたとき」と言えるでしょう。
認知症の介護は、徘徊や転倒・骨折のリスク管理などから24時間体制の見守りが必要になることも多く、ご家族だけで担うのは非常に困難です。 介護者の生活が犠牲になったり、十分なケアが受けられないことでご本人がストレスを感じたりする状況は避けなければなりません。
老人ホームに入居することで、認知症ケアの専門家による24時間のサポートを受けられ、安全な環境で穏やかな日々を送ることが可能になります。
施設への入居を具体的に検討し始めるタイミングの例を以下に示します。

  • ✓一人で外出し、帰り道が分からなくなることがある(徘徊)
  • ✓昼夜が逆転した生活リズムになり、家族が十分な睡眠を確保できない
  • ✓薬の管理が難しく、飲み忘れや過剰摂取の危険がある
  • ✓金銭の管理ができなくなり、トラブルが発生し始めた
  • ✓火の不始末や転倒の危険性が高く、自宅での安全確保が困難
  • ✓介護にあたる家族の心身の疲労が蓄積している

老人ホームで受けられる認知症ケアとは

介護スタッフと話す高齢女性
認知症ケアに対応している老人ホームでは、専門的な知識と技術を持つスタッフが、入居者一人ひとりの状態に合わせたサポートを提供します。
施設だからこそ提供できる専門的な認知症ケアには、以下のようなものがあります。

  • ✓他の入居者やスタッフとの交流を通じた社会的な孤立の解消
  • ✓手すりの設置や段差の解消など、転倒を予防する安全な住環境
  • ✓24時間スタッフ常駐による、昼夜を問わない継続的な見守りとケア
  • ✓体操やリハビリによる身体機能の維持と向上
  • ✓季節行事やレクリエーションによる五感への刺激と生活の質の維持
  • ✓認知症ケア専門士といった有資格者による質の高いサポート

適切なケアやリハビリテーションを受けることは、認知症の進行を緩やかにする効果も期待されています。
「有料老人ホームスーパー・コート」では、認知症の方専用のフロアを設けている施設もあり、穏やかで安全な生活環境を提供しています。 認知症ケア専門士が多数在籍し、昔の写真などを用いて脳の活性化を促す回想療法や、土や植物に触れることで心の安定をもたらす園芸療法など、五感を刺激する多彩なプログラムを実施。 認知症の方にも、いきいきとした毎日をお過ごしいただけるようサポートしています。

認知症の方におすすめの老人ホーム(介護施設)

施設の庭を散歩する高齢者と介護スタッフ
認知症の方が安心して生活できる代表的な老人ホームとして、主に以下の3種類が挙げられます。

  • ✓介護付き有料老人ホーム
  • ✓グループホーム
  • ✓特別養護老人ホーム(特養)

それぞれの施設が持つ特徴を見ていきましょう。

介護付き有料老人ホーム

専門スタッフによる24時間体制の介護サービスが受けられる民間の施設です。
施設ごとに設備やサービス内容が非常に多彩で、認知症ケアに特に力を入れている施設も数多くあります。 例えば、認知症の方専用のフロアを設置していたり、認知症ケアに関する専門資格を持つスタッフを手厚く配置していたりする施設などです。個々の症状やニーズに合わせて、柔軟に施設を選ぶことが可能です。

グループホーム

医師から認知症と診断された方(要支援2以上)が、5~9人の少人数単位(ユニット)で共同生活を送る、認知症専門の施設です。
家庭的な環境の中で、専門スタッフの支援を受けながら、食事の支度や掃除などを分担して行うことで、認知症の進行を緩やかにすることを目指します。 居室は原則として個室が用意され、プライバシーにも配慮されています。 ただし、看護師の配置は義務付けられていないため、医療体制は施設ごとに異なります。医療的ケアが必要になった場合の対応については、入居前に確認しておくことが重要です。

特別養護老人ホーム(特養)

原則として要介護3以上の方を対象とした公的な介護施設です。
公的施設であるため費用が比較的安価で、多くが看取りにも対応しているため「終の棲家」として高い人気を誇ります。 その一方で入居待機者が非常に多く、地域によっては数ヶ月から数年単位で待つことも珍しくありません。
要介護1・2の方でも、認知症の症状により在宅での生活が著しく困難であると認められた場合は、特例として入居できる可能性があります。
関連記事:【表で解説】老人ホームの種類と違い!選び方のコツや費用を紹介!

認知症の方の施設を探すときの6つのポイント

介護スタッフとレクリエーションを楽しむ入居者
認知症の方が穏やかに暮らせる施設を見つけるためには、以下のポイントを確認しましょう。

  • ✓本人と一緒に見学する
  • ✓将来を見据えた介護・医療体制か
  • ✓安全に配慮した環境か
  • ✓スタッフや他の入居者の雰囲気は良いか
  • ✓看取りまで対応可能か
  • ✓トラブル時の対応方針を確認する

1. 本人と一緒に見学する

可能であれば、必ずご本人も一緒に施設を見学することが重要です。 実際に生活の場となる施設の雰囲気やスタッフの対応、食事などを本人が肌で感じることが、入居後の不一致を防ぐ上で最も効果的です。
認知症が進行すると、環境の変化に適応したり、自らの意思を明確に伝えたりすることが難しくなります。できるだけ症状が軽いうちに、本人の意思を確かめながら施設選びを進めるのが理想的です。

2. 将来を見据えた介護・医療体制か

認知症の進行や他の病気を併発する可能性に備え、将来的に必要となりうる介護・医療サービスを継続して受けられる施設を選びましょう。
例えば、24時間介護スタッフが常駐しているか、日中の看護師配置はあるか、協力医療機関との連携体制は十分か、といった点は必ず確認すべき項目です。

3. 安全に配慮した環境か

認知症の症状によっては、転倒や徘徊のリスクが増大します。 手すりの設置や段差の解消といった基本的なバリアフリー設計はもちろん、徘徊による無断外出を防ぐための施錠管理(玄関のオートロックなど)が適切に実施されているかを確認しましょう。

4. スタッフや他の入居者の雰囲気は良いか

見学の際は、スタッフが忙しい中でも入居者一人ひとりに丁寧に声をかけているか、入居者の方々が穏やかな表情で過ごしているか、といった施設の「空気感」を確かめましょう。 スタッフの明るい挨拶や笑顔は、良いケアが実践されている証の一つです。険しい表情の職員が多い施設は、働く環境に問題があり、結果としてケアの質の低下につながるため注意が必要です。

5. 看取りまで対応可能か

「終の棲家」としての入居を希望する場合、その施設が看取りに対応しているかは必須の確認事項です。
かつては病院で最期を迎える方が大半でしたが、近年は住み慣れた場所での看取りを望む方が増えています。 令和4年の統計では、病院・診療所で亡くなる方の割合は約7割弱でした。
施設によって看取りの方針や対応は異なるため、どのような状態で、どのようなケアを受けながら最期を迎えられるのかを具体的に確認しておくことが大切です。

6. トラブル時の対応方針を確認する

見学時には、「他の入居者とトラブルになった際の対応」や「認知症の症状が悪化した場合の対応」について、過去の具体的な退去事例なども含めて質問してみましょう。
認知症の症状への対応方針が明確で、経験豊富な施設であれば、プライバシーに配慮しつつも誠実に回答してくれるはずです。 安易に退去を促すのではなく、本人や家族に寄り添い、共に解決策を模索してくれる施設を選びましょう。

老人ホームに入ると認知症の症状が進行する?

悩みを抱える高齢女性
「施設に入所すると、かえって認知症が進んでしまうのでは?」と心配される方もいますが、一概にそうとは言えません。
入居直後は、環境の変化に対するストレスから一時的に症状が不安定になることがあります。しかし、多くの場合、専門的なケアを受けながら新しい生活に慣れていくことで、症状は次第に落ち着いていきます。
むしろ、規則正しい生活リズムやリハビリ、他者とのコミュニケーションが良い刺激となり、心身の状態が改善に向かうケースも少なくありません。

認知症の本人が老人ホーム入居を嫌がる場合の対処法

入居を嫌がる様子の高齢男性
ご本人が入居を強く拒んでいる場合、無理強いは禁物です。 まずは、なぜ嫌だと感じるのか、その理由をじっくりと傾聴しましょう。その上で、次のようなアプローチを試してみるのが有効です。

  • ✓第三者から話してもらう:ご家族の言葉には感情的に反発してしまう場合でも、担当のケアマネジャーなど、信頼している第三者の専門家からの話であれば、冷静に耳を傾けられることがあります。
  • ✓ショートステイを利用する:「お試し」として短期間の宿泊サービス(ショートステイ)を活用し、施設の雰囲気や生活に慣れてもらうのも一つの手です。「もし合わなければいつでも自宅に帰れる」という安心感が、入居への心理的なハードルを下げてくれます。

認知症の方が利用できる老人ホームの費用相場

電卓とペンと書類
認知症の方が利用できる代表的な施設の費用相場は、以下の通りです。

老人ホームの種類 入居一時金(目安) 月額利用料(目安)
介護付き有料老人ホーム 0円~数千万円 15万円~30万円
グループホーム 0円~数百万円 12万円~18万円
特別養護老人ホーム 0円 5万円~15万円

上記の費用に加えて、医療費やおむつ代といった実費が別途必要になる場合があります。
関連記事:老人ホームの入居費用はいくら?タイプ別の費用相場と払えない時の対処法
関連記事:特別養護老人ホームの費用を減免する制度!申込み方法や世帯分離についても紹介

まとめ:老人ホームは認知症の方と家族を支える選択肢

介護スタッフと談笑する入居者
認知症の方に適した老人ホームの選び方や入居を検討するタイミングについて解説しました。
ご家族だけで介護の全てを抱え込むのではなく、専門家の力を借りられる老人ホームは、認知症の方とご家族双方の生活を支えるための重要な選択肢です。
適切な施設への入居は、介護するご家族の負担を軽減するだけでなく、ご本人にとっても安全な環境で専門的なケアを受けながら、穏やかな生活を送ることにつながります。
認知症の方のための施設を選ぶ際には、下記のポイントをぜひご活用ください。

  • ✓できる限り本人も一緒に見学し、その意向を尊重する
  • ✓将来を見据え、長期的に生活できる介護・医療体制が整っているか確認する
  • ✓転倒や徘徊といったリスクに対応できる安全な環境か確認する
  • ✓スタッフや他の入居者の雰囲気が、本人に合っているかを見極める
  • ✓「終の棲家」として検討するなら、看取り対応の可否を確認する
  • ✓万一のトラブル時の対応方針を聞き、誠実な施設か判断する

認知症の方が安心して暮らせる施設をお探しでしたら、ぜひ「有料老人ホームスーパー・コート」をご検討ください。
「スーパー・コート」は専門スタッフが24時間体制で介護を行う介護付き有料老人ホームです。認知症ケアにおける私たちの強みは以下の通りです。

  • ✓認知症の方専用フロアを設け、穏やかで安全な環境下で専門的ケアを提供
  • ✓認知症ケア専門士が多数在籍し、一人ひとりの状態に応じた対応を熟知
  • ✓回想療法や園芸療法など、五感を刺激し脳を活性化させるプログラムを導入
  • ✓ご本人が「したいこと・好きなこと」を叶えるケアプランを作成
  • ✓ご本人の意思を尊重した、穏やかな看取りにも対応

詳細は下記のページよりご覧いただけます。
「スーパー・コート」の認知症ケアの取り組みはこちら
「スーパー・コート」の特長はこちら
「スーパー・コート」のご入居までの流れはこちら
「スーパー・コート」の見学お申し込みはこちらから→見学申込み
「スーパー・コート」の資料請求はこちらから→資料請求
「スーパー・コート」へのお問い合わせはこちらから→お問い合わせ

監修者

監修者の写真

花尾 奏一 (はなお そういち)

介護主任、講師

<資格>

介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

<略歴>

有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。

一覧へ戻る