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介護タクシーの料金は高い?料金設定の相場と安くするコツを紹介

介護タクシーの料金は高い?料金の仕組みと費用を抑えるコツを解説
「介護タクシーって料金が高いと聞くけど、本当?」「普通のタクシーと何が違うの?」といった疑問をお持ちではありませんか。
車いすやストレッチャーのまま乗車できるタクシーには、大きく分けて**介護保険が使える「介護保険タクシー」**と、**保険適用外の「福祉タクシー」**の2種類があります。この違いを理解しないまま利用すると、予想外に費用が高くなってしまうこともあります。
この記事では、介護タクシーの料金が高いと感じる理由や、料金の仕組み、費用を安く抑えるコツについて分かりやすく解説します。
介護タクシーの料金が高いと言われる3つの理由
介護タクシーの料金が高いと感じるのには、主に3つの理由があります。
- 介助サービス分の料金が含まれるから
- 介護保険が適用されない費用があるから
- 「福祉タクシー」と混同されているから
1. 介助サービス分の料金が含まれるから
介護保険が適用される介護タクシー(介護保険タクシー)の運転手は、「介護職員初任者研修」などの資格を持つ介護の専門家です。そのため、車両への乗降介助はもちろん、必要に応じてベッドから車いすへの移乗や、外出時の着替えといった介助も依頼できます。
こうした専門的な介助サービスの料金が、通常のタクシー運賃に加えて必要になるため、合計金額が高くなります。
2. 介護保険が適用されない費用があるから
介護保険が適用されるのは、基本的に「通院などを目的とした乗車・降車の介助(通院等乗降介助)」の部分のみです。タクシーの運賃(メーター料金)や、車いす・ストレッチャーなどのレンタル機材費は全額自己負担となります。
また、通院先の病院内での付き添いなど、乗降介助の範囲を超えるサービスを依頼した場合も、その部分は保険適用外となるため、費用が加算されます。
3. 「福祉タクシー」と混同されているから
最も大きな誤解の原因が、介護保険が適用されない「福祉タクシー」との混同です。福祉タクシーは、利用時に介助が必要な場合、その介助料が全額自己負担となります。そのため、同じような移動でも福祉タクシーを利用すると費用が高額になり、「介護タクシーは高い」というイメージにつながっているのです。
「介護保険タクシー」と「福祉タクシー」の明確な違い

この2つのサービスの違いを正しく理解することが、費用を抑えるための第一歩です。
介護保険タクシーとは
「訪問介護事業所」の指定を受けたタクシー会社が提供する、介護保険サービスの一種です。運転手は介護資格を持つヘルパーであり、専門的な介助を行えます。
- 対象者:要介護1以上の認定を受け、一人で公共交通機関を利用するのが困難な方。
- 利用目的:通院、預金の引き出し、選挙の投票など、日常生活上必要な行為に限られます。(娯楽や買い物目的では利用できません)
- 介助:乗降時や屋内外での移動介助が可能で、その一部に介護保険が適用されます。
- 利用方法:事前にケアマネジャーが作成するケアプランに組み込む必要があります。
介護保険サービスの地域区分について
介護保険サービスの料金は、全国一律ではなく地域ごとに単価が定められています。例えば、大阪市は1単位11.12円、東京都23区は11.40円となっており、都市部ほど高くなる傾向があります。(2024年4月時点)
福祉タクシーとは
身体が不自由な方の移動をサポートする、一般的なタクシーサービスの一種です。介護保険は適用されません。
- 対象者:要介護認定の有無にかかわらず、身体的な理由で移動に困難がある方とその家族など、誰でも利用できます。
- 利用目的:買い物、観光、冠婚葬祭など、目的に制限はありません。
- 介助:運転手は介護資格を持っているとは限らず、**身体に触れる介助(身体介護)は法律上行えません。**乗り降りのサポートは、あくまで運送サービスの一環として行われます。
- 利用方法:通常のタクシーと同様に、電話などで直接予約します。
介護保険タクシーの料金、本当はいくら?
では、実際に介護保険タクシーを利用した場合の料金はどのくらいになるのでしょうか。料金は以下の3つの合計で決まります。
料金 = ①運賃 + ②介助費用 + ③オプション費用
① 運賃(全額自己負担)
一般のタクシーと同じように、メーター料金や時間制料金で計算されます。この部分は介護保険の対象外です。
② 介助費用(一部に介護保険適用)
介護保険が適用される「通院等乗降介助」の料金は、国が定めた単位数で決まります。1回の乗降介助あたり99単位で、自己負担が1割の方の場合、1回あたり約100円の負担となります。(往復利用なら約200円)
※単位あたりの単価は地域によって異なり、例えば大阪市は11.12円、東京都23区は11.40円です。(2024年4月時点)
③ オプション費用(全額自己負担)
車いすやストレッチャーのレンタル、階段の昇降介助などにかかる費用です。事業者によって料金は異なります。
- 車いすレンタル:0~1,000円程度
- リクライニング車いすレンタル:1,500円~2,000円程度
- 階段介助(1フロア):1,000円程度
【料金シミュレーション】大阪市内で利用した場合
自己負担1割の方が、大阪市内(1単位11.12円)で介護保険タクシーを利用した例を見てみましょう。
- パターン1:介助のみで、運賃が1,500円だった場合
1,500円(運賃)+ 約110円(介助費:99単位×11.12円×0.1)= 合計 約1,610円 - パターン2:運賃1,500円で、階段の介助(1,000円)もお願いした場合
1,500円(運賃)+ 約110円(介助費)+ 1,000円(オプション)= 合計 約2,610円
このように、料金の内訳を理解すると、何にいくらかかっているのかが明確になります。
介護タクシーの料金を安くするコツ
自治体の助成制度を利用する
お住まいの自治体によっては、タクシーチケットの交付や利用料金の一部助成といった独自の支援制度を設けている場合があります。対象となる条件(障害者手帳の有無など)や助成内容はさまざまですので、まずは市区町村の役所の福祉担当窓口に問い合わせてみましょう。
ケアマネジャーに相談する
費用を抑える上で最も頼りになるのがケアマネジャーです。介護保険を適用するためのケアプラン作成はもちろん、信頼できる事業者の紹介や、料金が適正かどうかの判断もしてくれます。まずはケアマネジャーに「費用をできるだけ抑えたい」という希望を伝え、最適な利用方法を一緒に考えてもらいましょう。
介護タクシーを利用するときの注意点

- 利用目的が限定される:前述のとおり、介護保険タクシーの保険適用は「通院」など日常生活に必要な外出に限られます。私的な買い物や旅行などには利用できません。
- 家族の同乗はケースバイケース:介護保険サービスの対象はご本人様のみです。そのため、原則として家族の同乗は想定されていません。ただし、付き添いが必要な場合など、事業者の方針によっては同乗が認められることもありますので、事前に確認が必要です。
通院の負担を減らすなら、医療体制の整った老人ホームも選択肢に

介護タクシーでの通院は便利なサービスですが、移動そのものがご本人の身体的な負担になることも少なくありません。
『有料老人ホームスーパー・コート』では、多くの施設で看護職員が日中常駐しているほか、協力医療機関による定期的な訪問診療も行っており、日々の健康管理体制が整っています。通院が必要な場合も、施設側でタクシーの手配を行うなど、ご入居者様やご家族の負担を軽減するサポートを提供しています。
また、温泉や多彩なレクリエーションなど、施設内で楽しみながら心身の健康を維持できる環境をご用意しております。ご自宅からのオンライン見学も可能ですので、ぜひ一度、私たちの取り組みをご覧ください。
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監修者

花尾 奏一 (はなお そういち)
介護主任、講師
<資格>
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
<略歴>
有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。







