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有料老人ホームで介護保険を受けるには|サービス適用と適用外を確認

有料老人ホームで介護保険を受けるには|サービス適用と適用外を確認

有料老人ホームへの入居を検討する際、「月々の費用に介護保険は使えるのだろうか」という疑問は多くの方が抱くものです。実は、有料老人ホームの種類によって、介護保険の適用方法には大きな違いがあります。
この記事では、有料老人ホームのタイプごとに介護保険サービスが適用される範囲を一覧表で分かりやすく解説します。介護保険を利用するための手続きの流れもご紹介しますので、施設選びの際の参考にしてください。

【種類別】有料老人ホームの介護保険適用範囲

介護スタッフと話をする高齢の女性
有料老人ホームには、主に以下の3つのタイプが存在します。

  • ✓介護付き有料老人ホーム
  • ✓住宅型有料老人ホーム
  • ✓健康型有料老人ホーム

これら3つのタイプでは、介護保険が適用される範囲がそれぞれ異なります。施設を選ぶ前に、どのサービスに介護保険が適用され、何が自己負担となるのかを正確に把握しておくことが大切です。

有料老人ホームにおける介護保険の適用範囲【一覧表】

まず、3つの有料老人ホームタイプにおける介護保険の適用範囲の違いを、一覧表で比較してみましょう。
【有料老人ホームの種類別|介護保険の適用範囲 一覧表】

サービス内容 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム
施設による介護サービス提供

◯(適用あり)

施設が提供する包括的な介護サービス(特定施設入居者生活介護)に介護保険が適用されます。

✕(適用なし)

施設からの直接的な介護提供はありません。必要な場合は外部の介護事業者と個別に契約します。

✕(適用なし)

施設からの介護提供はなく、介護が必要になった場合は原則として退去となります。

介護保険が適用されるサービス例 【施設内で提供】

・食事の介助
・排泄介助、おむつ交換
・入浴介助
・身体の清拭
・体位変換
・機能訓練
・看取り
・安否確認、生活相談 など
【外部サービスを利用】

・訪問介護
・訪問看護
・訪問リハビリ
・デイサービス(通所介護)
・デイケア(通所リハビリ)
・ショートステイ など
原則なし
介護保険適用外(自己負担)となるサービス例
・食事の提供費用
・おむつ代などの消耗品費
・理美容代
・個別の希望による外出の付き添い
・買い物の代行
・規定回数を超える入浴介助などの「上乗せサービス」費用 など

・食事の提供費用
・施設の生活支援サービス(安否確認、生活相談など)
・理美容代
・買い物の代行 など

・食事の提供費用
・施設の生活支援サービス
・理美容代 など

介護付き有料老人ホーム:包括的な介護サービスに保険が適用

介護スタッフから介助を受ける高齢女性
介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。介護スタッフが24時間常駐し、施設が提供する食事や入浴の介助、機能訓練といった包括的な介護サービスに対し、介護保険が適用されます。

介護保険の適用範囲

介護付き有料老人ホームで提供される、下記のようなサービスに介護保険が適用されます。

  • ✓食事の介助
  • ✓排泄の介助・おむつ交換
  • ✓入浴の介助(週2回など規定の範囲内)
  • ✓看取りのケア
  • ✓機能訓練
  • ✓安否確認・生活相談
  • ✓居室の掃除・洗濯 など

一方で、日用品やおむつなどの消耗品費、理美容サービス、個別の希望に応じた外出の付き添いや買い物代行などは介護保険の適用外となり、全額が自己負担です。

介護保険を利用するための条件

介護保険サービスを利用するには、お住まいの市区町村に申請を行い、「要支援」または「要介護」の認定を受ける必要があります。
介護認定とは、どの程度の介護や支援が必要かを公的に判定するもので、「自立」「要支援1・2」「要介護1~5」のいずれかの区分に認定されます。

介護保険の利用者負担額(自己負担額)

介護保険サービスを利用した際の自己負担割合は、所得に応じて原則1割(一定以上の所得者は2割または3割)です。
介護付き有料老人ホームの介護サービス費は、要介護度に応じた月々の定額制です。1割負担の場合、1ヶ月あたりの自己負担額の目安は以下の通りです。(※金額はあくまで目安であり、施設のサービス体制や地域によって異なります)

要支援1 約5,500円
要支援2 約9,500円
要介護1 約17,300円
要介護2 約19,400円
要介護3 約21,600円
要介護4 約23,700円
要介護5 約25,900円

参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(2024年4月時点の情報に基づき作成)

介護認定区分と利用できるサービス

介護保険の給付対象となるのは「要支援」または「要介護」と認定された方です。「自立」と判定された方は、介護保険サービスを利用することはできません。

認定区分 利用できるサービス
自立 介護保険は利用できない
要支援1~2 介護予防サービスが利用できる
要介護1~5 介護サービスが利用できる

住宅型有料老人ホーム:外部の介護サービスに保険が適用

居室でスタッフと談笑する高齢の男性
住宅型有料老人ホームは、主に自立した方から軽度の要介護状態の方を対象とした施設です。施設からは食事の提供や安否確認といった生活支援サービスが提供されますが、施設自体が直接的な介護サービスを提供することはありません。
介護が必要になった場合は、外部の訪問介護やデイサービスといった事業者と個別で契約を結び、その利用分に対して介護保険が適用されます。必要なサービスを自分で選択して組み合わせられるため、利用した分だけを支払う合理的な使い方が可能です。
利用できる外部サービスの例は以下の通りです。

  • ✓訪問介護(ホームヘルプ):ホームヘルパーが居室を訪れ、身体介護や生活援助を提供します。
  • ✓訪問看護:看護師などが居室を訪問し、主治医の指示に基づき医療的なケアを実施します。
  • ✓訪問リハビリテーション:理学療法士などが居室を訪れ、心身機能の維持・回復を目的としたリハビリを行います。
  • ✓デイサービス(通所介護):日帰りで施設に通い、食事や入浴、レクリエーションといったサービスを受けます。
  • ✓デイケア(通所リハビリ):病院や老人保健施設などに通所し、より専門的なリハビリテーションを受けます。

健康型有料老人ホーム:原則、介護保険は利用しない

健康型有料老人ホームは、自立した生活が送れる元気な高齢者を対象とした施設です。温泉やジム、レストランなどの設備が充実しており、アクティブなシニアライフを楽しむことを目的としています。
このため、施設からの介護サービスは提供されず、介護保険の利用は基本的に想定されていません。もし常時介護が必要な状態になった場合は、契約を解除して退去しなければならないのが一般的です。

介護保険サービスを受けるための手続きと流れ

書類に記入するシニア夫婦
介護保険サービスを利用するためには、まずお住まいの市区町村の担当窓口(高齢福祉課や介護保険課など)で要介護認定の申請を行う必要があります。
申請後の大まかなプロセスは以下の通りです。

ステップ 内容
1. 認定調査 市区町村の認定調査員がご自宅などを訪問し、ご本人の心身の状態について、本人や家族から聞き取り調査を行います。並行して、市区町村が主治医に意見書の作成を依頼します。
2. 審査・判定 認定調査の結果と主治医の意見書を基に、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が、どの程度の介護が必要かを審査・判定します。
3. 認定結果の通知 原則として申請から30日以内に、判定結果が記載された新しい「介護保険被保険者証」が郵送で交付されます。

認定結果が通知されるまでには1ヶ月程度かかるため、サービスの利用を検討し始めたら、早めに申請手続きを開始しましょう。

関西で介護付き有料老人ホームをお探しならスーパー・コートへ

スーパー・コートのスタッフと入居者
施設の手厚い介護サービスに介護保険が適用されるのは「介護付き有料老人ホーム」です。関西エリアで介護付き有料老人ホームをお探しの際は、ぜひ有料老人ホームスーパー・コートをご検討ください。
スーパー・コートは、リハビリ強化型のホームやパーキンソン病専門フロアを設けたホームなど、お一人おひとりの多様なニーズにお応えできる施設を展開しています。
また、多くの施設で天然温泉を完備しており、日々の暮らしに癒やしと安らぎのひとときをご提供します。温浴によるリラックス効果や疲労回復を実感していただけます。
有料老人ホームスーパー・コートの見学お申し込みはこちらから→見学申込み
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監修者

監修者の写真

花尾 奏一 (はなお そういち)

介護主任、講師

<資格>

介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

<略歴>

有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。

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