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パーキンソン病のリハビリ内容と効果|進行を遅らせる専門ケアの重要性と施設選びのポイント

「昔のようにスムーズに動けなくなるのが怖い」「家族としてどう支えれば進行を止められるのか」といった不安を抱えていらっしゃいませんか。パーキンソン病は進行性の病気ですが、近年の研究では、脳には「神経可塑性(しんけいかそせい)」という、外部からの刺激によって変化し適応する力が備わっていることが分かっています。適切なリハビリテーションを継続的に行うことで、脳の運動回路を再構築し、症状の進行を遅らせて自分らしい生活を維持することは十分に可能です。
本記事では、理学療法(PT)・作業療法(OT)・言語聴覚療法(ST)の具体的な役割や、自宅リハビリと施設リハビリの決定的な違い、そして「スーパー・コート」だからこそ提供できる専門的なケアについて詳しく解説します。
【基礎知識】なぜパーキンソン病に専門的なリハビリが不可欠なのか
パーキンソン病の治療において、お薬(薬物療法)と並んで重要なのがリハビリテーションです。なぜ単なる運動ではなく「専門的なリハビリ」が必要なのか、その科学的根拠とリスクについて解説します。
ドパミン減少を補う脳の神経可塑性と運動回路の再構築
パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質である「ドパミン」が減少することで、運動の指令がうまく体に伝わらなくなる病気です。しかし、脳には損傷を受けていない別の神経回路が、失われた機能を補おうとする性質(神経可塑性)があります。
- 神経可塑性とは
- 脳の神経細胞が、学習や経験(刺激)によって新しいネットワークを構築したり、既存のネットワークを強化したりする能力のことです。
- リハビリの役割
- 正しい動作の繰り返しや意図的な運動刺激を与えることで、ドパミン不足を補う「新しい運動回路」の再構築を促します。
このように、リハビリは単なる筋トレではなく、脳そのものに働きかける重要な治療の一環なのです。
運動不足から生じる廃用症候群の進行スピードとリスク
パーキンソン病の方は、体が動かしにくくなると外出や活動を控えがちになります。しかし、「動かないこと」こそが最大の症状悪化要因となる「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」を引き起こします。
| リスク項目 | 内容と影響 |
|---|---|
| 筋力低下・関節拘縮 | 筋肉が痩せ、関節が固まることで、さらに「すくみ足」や「姿勢反射障害」が悪化します。 |
| 心肺機能の低下 | 活動量が減ることで心肺機能が落ち、少しの動作でも息切れしやすくなります。 |
| 認知機能・精神面への影響 | 刺激の減少により、意欲の低下や認知機能の衰えを招く恐れがあります。 |
「動かないと、動けなくなる」という悪循環を断ち切るためには、早期から専門的な介入を行うことが不可欠です。
症状の進行を遅らせる専門リハビリ3つの領域と具体的な訓練内容
リハビリテーションには、目的別に大きく分けて3つの専門領域があります。それぞれの専門職(PT・OT・ST)が連携し、心身の両面からサポートを行います。
理学療法(PT)による大股歩行・姿勢矯正・すくみ足対策
理学療法(PT)は、歩く、立つといった「基本動作」の改善を目的とします。
- 大股歩行訓練
- パーキンソン病特有の「小刻み歩行」を改善するため、視覚的な目印やメトロノームの音に合わせて意識的に歩幅を広げる訓練を行います。
- 姿勢反射障害へのアプローチ
- バランスを崩しやすくなる症状に対し、体幹を鍛えたり重心移動の練習を行ったりして、転倒リスクを軽減します。
- すくみ足対策
- 足が地面に張り付いたようになる「すくみ足」に対し、第一歩を踏み出すためのリズム取りや環境調整のアドバイスを行います。
用語解説:姿勢反射障害
体のバランスが崩れたときに、無意識に姿勢を立て直す反応が鈍くなる状態です。これにより転倒しやすくなるため、専門的な予防訓練が重要です。
作業療法(OT)による食事動作や着替えなどの日常生活動作訓練
作業療法(OT)は、食事、着替え、入浴などの「日常生活動作(ADL)」をスムーズに行えるようサポートします。
- 手指の巧緻性(こうちせい)訓練
- ボタンのかけ外しや箸の使用など、細かい指先の動きを維持するためのリハビリを行います。
- 福祉用具の選定・活用
- 食べやすいスプーンや着替えやすい服の提案、手すりの位置調整など、生活環境そのものを改善します。
- 生活リズムの構築
- 症状が出やすい時間帯(オフの時間)を考慮した、無理のない生活スケジュールの立て方をアドバイスします。
言語聴覚療法(ST)による発声練習と飲み込み(嚥下)のトレーニング
言語聴覚療法(ST)は、コミュニケーション(話す)と食事(食べる・飲み込む)の機能を支えます。
- 発声リハビリ(LSVT LOUDなど)
- 声が小さくなる、呂律が回りにくくなる症状に対し、お腹から声を出す訓練や、口の周りの筋肉を動かす練習を行います。
- 嚥下(えんげ)トレーニング
- 飲み込みの力が弱まると誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが高まります。喉の筋肉を鍛えたり、安全な飲み込み方を習得したりします。
- 口腔ケアの指導
- お口の中を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐことで、誤嚥性肺炎の予防につなげます。
自宅でのリハビリと専門施設でのリハビリにおける決定的な違い
「自宅でもリハビリはできる」と思われるかもしれませんが、進行性のパーキンソン病においては、リハビリの「頻度」と「環境」がその後の経過を大きく左右します。
訪問リハビリや通所リハビリにおける実施頻度と時間の限界
在宅介護におけるリハビリには、制度上の限界や物理的な制約があります。
- 時間の制約
- 訪問リハビリは一般的に週に1〜2回、1回40分〜60分程度です。脳に刺激を与え続けるには、この頻度では不十分な場合があります。
- 家族の負担
- リハビリ以外の時間はご家族がサポートする必要がありますが、正しい介助方法や運動の継続を促すのは精神的・体力的に大きな負担となります。
- 安全性の確保
- リハビリ専門職がいない時間帯に無理な運動をすると、転倒による骨折などのリスクが伴います。
施設ならではの24時間体制で行う生活リハビリと環境調整の効果
パーキンソン病専門の老人ホーム等では、リハビリを「特別な時間」だけにするのではなく、「生活そのもの」として捉えています。
- 生活リハビリの実践
- 食堂までの移動、トイレでの立ち上がり、着替えの動作一つひとつをリハビリの機会として活用します。
- 専門家による環境調整
- 歩行を妨げる段差の解消や、症状に合わせた福祉用具の即時調整が可能です。
看護師・介護職・リハビリ専門職が連携する多職種連携のメリット
施設入居の最大の利点は、多職種が24時間体制で連携している点にあります。看護師がその日の体調を確認し、リハビリスタッフが最適なプログラムを組み、介護スタッフが日々の生活でそれを支えるという、一貫したケアを受けることができます。これにより、体調の変化(オン・オフの波)に合わせた柔軟な対応が可能となります。
パーキンソン病の方が安心して過ごせる老人ホームの選び方
施設選びの際は、単に「リハビリがある」だけでなく、パーキンソン病特有の制度やケア体制に対応しているかを確認することが重要です。
難病情報センターの知見に基づく公費負担制度と受給者証の活用
パーキンソン病(ホーエン・ヤール重症度分類3度以上かつ生活機能改善度が2度以上の場合など)は指定難病に該当します。
- 特定医療費(指定難病)受給者証
- この受給者証を活用することで、医療費の自己負担額が軽減される制度があります。施設の相談員がこの制度に精通しているか確認しましょう。
- 公費負担制度の活用
- 所得に応じた自己負担上限額が設定されるため、長期的な療養生活における経済的負担を抑えることが可能です。
特定施設におけるリハビリテーション実施体制の確認ポイント
施設を検討する際は、以下のチェックリストを活用してください。
- 理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が常駐、あるいは密に連携しているか
- パーキンソン病に特化したリハビリプログラム(個別性の高いもの)があるか
- 服薬管理(分単位の調整など)に看護師がどこまで対応してくれるか
- 進行度に合わせて、夜間の見守りや医療処置(胃ろう、たん吸引など)が可能か
パーキンソン病専門の老人ホーム「スーパー・コート」で自分らしい生活を
「スーパー・コート」は、関西を中心に60施設以上を展開し、特にパーキンソン病ケアに注力しています。当施設が選ばれる3つの強みをご紹介します。
1. 神経内科専門医の「往診」と、緻密な「服薬コントロール」
パーキンソン病において最も重要なのは、お薬の効果を最大限に引き出すことです。
- 専門医との密な連携
- 地域の神経内科専門医と連携し、定期的な往診体制を整えています。※施設により異なります
- オン・オフ現象の記録
- 薬が効いている時間と切れている時間の状態をスタッフが詳細に記録し、医師と共有します。これにより、「どのタイミングで飲めば快適に過ごせるか」という、お一人おひとりに最適な調整を実現します。
2. 専門職による「パーキンソン病特化リハビリ」
PTやOTが在籍、または連携しており、専門的なプログラムを提供します。
- 症状別アプローチ
- すくみ足や姿勢反射障害に対し、科学的根拠に基づいたリハビリを行います。
- 音楽療法と発声練習
- 楽しみながら身体機能を維持できるよう、音楽を取り入れたリハビリも行っています。
3. 進行しても住み続けられる「24時間看護・医療体制」
症状が進行し、重症度が上がった場合でも、退去の心配なく過ごしていただけます。
- ナーシングホームの安心感
- 看護師が24時間365日常駐している施設では、たん吸引やインシュリン投与、胃ろうなどの医療処置にも柔軟に対応可能です。
- 看取りまでサポート
- 住み慣れたお部屋で、最期まで穏やかに暮らしていただける体制(ターミナルケア)を整えています。
パーキンソン病の介護やリハビリに関するご相談はスーパー・コートへ
パーキンソン病のリハビリや施設探しは、お一人で悩まずに専門家へ相談することが第一歩です。スーパー・コートでは、専門の相談員が制度の活用方法から具体的なケアの内容まで、丁寧にお答えいたします。「今はまだ自宅で頑張りたいけれど、将来が不安」という方の事前相談も受け付けております。まずは、お電話やホームページからお気軽にお問い合わせください。
お申し込み・お問い合わせはこちら
パーキンソン病専門の介護施設に関する資料請求や、見学のご予約、入居に関するご相談を随時受け付けております。
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監修者

花尾 奏一 (はなお そういち)
介護主任、講師
<資格>
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
<略歴>
有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。






