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グループホームの入居条件は?費用相場や入居までの手順も紹介!

「グループホームに入居するための条件には、どのようなものがあるのだろう?」
「もし入居条件を満たせなかった場合、どうすれば良いのだろうか?」
ご家族に認知症の診断が下り、老人ホームへの入居を考え始めると、こうした疑問をお持ちになる方も少なくないでしょう。
この記事では、グループホームへの入居条件、費用の相場、そして入居に至るまでの具体的なステップを分かりやすく解説します。
グループホーム以外の施設の選択肢についても触れますので、ぜひ施設選びの参考としてお役立てください。
なお、グループホームには障害のある方向けの施設と高齢者向けの施設がありますが、本記事では「認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)」に焦点を当てて解説します。
グループホームとは認知症の高齢者向け施設

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症を抱える高齢の方が家庭に近い雰囲気のなかで、専門スタッフのサポートを受けながら自立した共同生活を送るための施設です。
その主な特徴は以下の通りです。
- ✓ 慣れ親しんだ地域での生活を継続できる「地域密着型」のサービスであること
- ✓ 料理や掃除といった役割を担い、日々の暮らしを通じてリハビリテーションを行うこと
- ✓ 5〜9名の少人数を一つのユニットとし、アットホームな環境で生活すること
認知症の方が穏やかに暮らせる環境が整えられていることから、人気の高い施設形態の一つとなっています。
グループホームの3つの入居条件

グループホームへ入居するためには、基本的に次の3つの条件をすべてクリアしている必要があります。
- 65歳以上で「要支援2」または「要介護1~5」の認定を受けている
- 医師から認知症と診断されている
- 施設と同じ市区町村に住民票がある
入居条件①:65歳以上で、要支援2以上の認定を受けていること
グループホームに入居できるのは、原則として年齢が65歳以上で、要介護認定の結果が「要支援2」あるいは「要介護1〜5」と判定された方です。 このため、要介護度が「自立」や「要支援1」と認定された方は入居対象外となります。
ご自身の要介護度は、お持ちの「介護保険被保険者証」で確認することが可能です。
また、要介護認定には有効期間が定められています。もし期限が切れている場合は、再度お住まいの市区町村の窓口で更新申請を行う必要があります。
要介護認定の詳しい内容や申請手続きについては、こちらの記事で解説しています。
関連記事:要介護認定とは?要支援と要介護の違いや認定の申請方法について紹介
入居条件②:医師から認知症の診断を受けていること
グループホームは認知症ケアを専門とする施設であるため、医師が発行した認知症の診断書が必須となります。
認知症の診断は、もの忘れ外来のほか、脳神経内科や精神科などで受けることが可能です。
どの医療機関にかかればよいか迷う場合は、日本認知症学会のホームページで専門医を検索したり、お近くの地域包括支援センターに相談したりすることをお勧めします。
入居条件③:施設と同じ市区町村に住民票があること
グループホームは介護保険制度における「地域密着型サービス」に位置づけられているため、原則として施設が立地する市区町村に住民票を有する方が入居の対象となります。
ただし、「子どもが暮らす自治体の施設に入りたい」といった要望がある場合の対応は、各自治体によって異なります。
住民票を移すことで入居できる場合や、「3ヶ月以上の居住実態が必要」などの条件を設けている自治体もあります。希望する施設が見つかった段階で、早めに問い合わせて確認することが大切です。
症状によってはグループホームに入居できない場合も

具体的には、以下のような状況で入居が難しいと判断される可能性があります。
- ✓ 他の入居者に対する暴力や暴言が見受けられる
- ✓ 常時、医療的なケアを必要とする
- ✓ 寝たきりの状態など、介護の必要性が著しく高い
- ✓ 集団生活に馴染めず、自室への引きこもりがちになってしまう
- ✓ 他者に感染する可能性のある疾患を持っている
ただし、入居の可否は施設の受け入れ体制や、他の入居者との相性によっても変動します。体験入居などを通じて判断する施設も多いため、まずは気になる施設へ相談してみましょう。
グループホーム入居までの基本的な手順

- 施設を探す
- 資料請求をする
- 施設を見学する
- 仮申し込みをする
- 診断書を準備する
- 面談・体験入居
- 入居審査
- 本契約
- 入居開始
ステップ1. 施設を探す
まずは、立地や費用、サービスといった希望条件を整理し、それに合致する施設を探すことから始めます。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すれば、候補となる施設を紹介してもらうことも可能です。
ステップ2. 資料請求をする
関心のある施設が見つかったら、電話やウェブサイト経由で資料を請求します。実際に見学すると印象が変わることもありますので、複数の施設を比較検討することをお勧めします。
ステップ3. 施設を見学する
資料だけでは把握できない施設の雰囲気を確認するためにも、施設見学は必ず行いましょう。入居されている方の様子やスタッフの応対に触れることで、入居後の生活をより具体的に想像できます。
ステップ4. 仮申し込みをする
入居したい施設が定まったら、仮申し込みの手続きをします。この段階では、まだ入居が正式に決定したわけではありません。
ステップ5. 診断書を準備する
入居には医師の診断書が求められるため、かかりつけ医に作成を依頼しましょう。もし、かかりつけ医がいない場合は、地域包括支援センターで適切な医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。
ステップ6. 面談・体験入居
施設の担当者とご本人、ご家族が面談を行い、心身の状態やこれまでの生活歴などを伝えます。施設によっては、数日間の体験入居を設けている場合もあります。
ステップ7. 入居審査
提出された書類や面談での情報に基づき、施設側で共同生活が可能かどうかの審査が行われます。結果の通知は、電話または書面で届くのが一般的です。
ステップ8. 本契約
審査に通過したら、正式な入居契約を結びます。契約書や重要事項説明書に記載されている内容は十分に確認し、少しでも不明な点があれば必ず質問するようにしましょう。
ステップ9. 入居開始
契約完了後、入居日を調整し、サービスの利用がスタートします。長年使い慣れた家具や衣類などを持ち込むことで、新しい環境にもスムーズに馴染みやすくなります。
グループホームの入居にかかる費用の目安

| 初期費用(入居一時金など) | 0円~数十万円 |
| 月額利用料 | 12万円~18万円 |
入居の際には「初期費用」と、毎月支払う「月額利用料」が発生します。
初期費用は、施設によって0円から数十万円と幅があります。一般的に、初期費用が高めの施設は月額利用料が比較的安価に設定されている傾向が見られます。
月額利用料は、家賃、食費、水道光熱費、そして介護サービス費の自己負担分などで構成されます。 これらに加えて、おむつ代などの日用品費や医療費が別途必要になることが多いため、毎月必要となる費用の総額を事前に確認しておくことが大切です。
老人ホームの費用について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事:老人ホームの入居費用はいくら?タイプ別の費用相場と払えない時の対処法
グループホーム以外で認知症の方が入居できる施設

認知症の方が暮らせる主な施設と、それぞれの入居条件をまとめました。
| 施設種別 | 年齢 | 要介護度 | 認知症の受け入れ | 住民票の要件 | 特徴 |
| グループホーム | 原則65歳以上 | 要支援2~要介護5 | 必須 | 同一市区町村 | 認知症ケア専門 |
| 介護付き有料老人ホーム | 施設による(60歳や65歳以上など) | 要介護1以上(施設による) | 受け入れ可(施設による) | なし | 介護サービスが充実 |
| 特別養護老人ホーム | 原則65歳以上 | 原則 要介護3以上 | 受け入れ可(症状による) | なし | 費用が比較的安い |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 原則60歳以上 | 自立~軽度の要介護 | 受け入れ可否は施設による | なし | 自立度が高い方向け |
| 介護老人保健施設 | 原則65歳以上 | 要介護1~要介護5 | 受け入れ可 | なし | 在宅復帰を目指すリハビリ施設 |
| 住宅型有料老人ホーム | 施設による(60歳以上など) | 自立~要介護 | 受け入れ可否は施設による | なし | 生活支援が中心 |
| 介護医療院 | 原則65歳以上 | 要介護1~要介護5 | 受け入れ可 | なし | 長期的な医療ケアが必要な方向け |
施設を探す際には、まずご本人の要介護度が各施設の入居条件と合致しているかを確認することが重要です。
グループホームの入居条件に関するよくある質問

グループホームの入居条件に関して、頻繁に寄せられる質問にお答えします。
Q1. 生活保護を受けていてもグループホームに入れますか?
A. はい、生活保護を受給している方もグループホームへの入居は可能です。
ただし、生活保護受給者の受け入れに対応しているかどうかは施設の方針によります。 また、月額の利用料が生活保護費(住宅扶助・介護扶助など)で賄える範囲である必要があるため、事前に施設および担当のケースワーカーに確認することが必要です。
Q2. 65歳未満でもグループホームに入れますか?
A. はい、40歳から64歳の方でも、初老期における認知症(若年性認知症)と診断され、要介護認定を受けていれば入居の対象となります。
若年性認知症には、アルツハイマー型認知症や血管性認知症などが該当します。ただし、65歳未満の方を受け入れているかどうかは施設によって対応が異なるため、事前の確認が不可欠です。
Q3. 要支援1ではグループホームに入居できませんか?
A. いいえ、グループホームの入居対象は要支援2以上と定められているため、要支援1と認定された方は入居できません。
もし、認定を受けた時点よりも心身の状態に変化が見られる場合は、要介護度の見直し(区分変更申請)を行うことが可能です。区分変更の結果、要支援2以上と判定されれば、入居の対象となります。まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談してみましょう。
Q4. 入居後に退去を求められることはありますか?
A. はい、入居後に心身の状態が変化し、共同生活の継続や施設での医療的対応が困難になった場合、退去に至る可能性があります。
具体的には、次のようなケースが考えられます。
- ✓ 自傷や他者への危害行為が頻繁に見られるようになった
- ✓ 認知症の症状が進行し、集団生活への適応が著しく困難になった
- ✓ 病状の悪化などにより、常時専門的な医療処置が必要になった
ご本人に合った施設選びが大切

この記事では、認知症の方が共同で生活を送るグループホームについて解説しました。入居を検討される際には、まず以下の3つの基本条件を満たしているかを確認することが第一歩です。
- ✓ 65歳以上で「要支援2」または「要介護1~5」の認定を受けている
- ✓ 医師から認知症と診断されている
- ✓ 施設と同じ市区町村に住民票がある
もしこれらの条件に合致しない場合や、グループホーム以外の施設も比較してみたい場合は、介護付き有料老人ホームなど、他の選択肢も視野に入れて検討することが重要です。
認知症の方が安心して暮らせる施設をお探しの方は、ぜひ「スーパー・コート」もご検討ください。
スーパー・コートは、専門スタッフが24時間体制で見守る介護付き有料老人ホームです。「要支援1・2」「要介護1〜5」の方まで、幅広くご入居いただけます。
スーパー・コートの認知症ケアには、以下のような強みがあります。
- ✓ 認知症の方が穏やかに過ごせるよう、一部の施設では専門フロアを設けています。
- ✓ 転倒防止の工夫や見守り体制の強化により、安全な生活環境をご提供します。
- ✓ 回想療法や園芸療法といった、五感を活用して脳の活性化を促すプログラムを実践しています。
- ✓ 認知症ケア専門士が多数在籍しており、お一人おひとりの状態に合わせた質の高いケアを提供します。
- ✓ ご本人の「やりたいこと」「好きなこと」を大切にしたケアプランを作成します。
- ✓ ご希望に応じて、人生の最終章に寄り添う「看取り」にも対応しています。
ご入居者様がその方らしく、生き生きとした毎日を送れるよう、様々な取り組みを行っています。
詳しくは、ぜひ下記のページをご覧ください。
有料老人ホームスーパー・コートの認知症ケアの取り組みはこちら
有料老人ホームスーパー・コートの特徴はこちら
有料老人ホームスーパー・コートのご入居の流れはこちら
監修者

花尾 奏一 (はなお そういち)
介護主任、講師
<資格>
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
<略歴>
有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。







