
column
コラム
公開日: 更新日:
軽費老人ホームとは|それぞれの特徴や入居費用・条件を詳しくご紹介

軽費老人ホームとは|種類ごとの特徴や入居費用・条件を詳しく解説
高齢になり一人暮らしが不安なものの、「施設への入居は費用やサービス内容が心配」とお考えではありませんか。多くの介護施設や老人ホームの中から、ご自身に合った施設を選ぶのは大変なことです。
この記事では、比較的低い費用で入居できる「軽費老人ホーム」について、その種類ごとの特徴、入居条件、費用の目安、メリット・デメリットを詳しく解説します。ぜひ、施設選びの参考にしてください。
軽費老人ホームとは

軽費老人ホームとは、老人福祉法において「無料又は低額な料金で、老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設」と定められている公的な施設の一つです。
軽費老人ホームの特徴
軽費老人ホームは、地方自治体などからの助成を受けて運営されるため、比較的低額な料金で利用できるのが最大の特徴です。身体機能の低下や家庭の事情などにより、自立した生活に不安がある高齢者を幅広く受け入れています。
民間の老人ホームに比べて費用が安いため入居希望者が多く、施設によっては数ヶ月から1年以上の待機期間が発生することもあります。
また、介護保険の制度上、原則として「在宅サービス」の扱い(居宅扱い)となるため、介護が必要な場合は訪問介護といった外部の介護サービス事業者と個別に契約して利用するのが基本です。そのため、要介護度が上がった場合、施設によっては住み続けることが難しくなります。
ただし、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた一部の軽費老人ホーム(主に介護型ケアハウス)では、施設の職員から直接介護サービスを受けられるため、要介護度が上がっても安心して生活を続けられます。
【軽費老人ホームの施設数と定員数(令和4年10月1日現在)】
| 種別 | 施設数 | 定員数(人) |
| 軽費老人ホームA型 | 173 | 10,219 |
| 軽費老人ホームB型 | 12 | 538 |
| ケアハウス(C型) | 1,833 | 82,217 |
| 都市型軽費老人ホーム | 96 | 1,666 |
| 合 計 | 2,114 | 94,640 |
軽費老人ホームには4つの種類がある
軽費老人ホームには、以下の4種類があります。
- A型:食事提供あり、生活支援あり
- B型:食事提供なし(自炊)、生活支援あり
- C型(ケアハウス):一般型と介護型がある
- 都市型:都市部向けの小規模な施設
それぞれの施設でサービス内容や入居条件、費用が異なります。
軽費老人ホームA型・B型
身の回りのことは自分でできるものの、家庭の事情などで家族との同居が困難な、60歳以上の高齢者向けの施設です。B型は自炊が基本となります。入居には自治体が定める所得制限があります。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)
現在の軽費老人ホームの主流です。所得制限が緩和されており、A型・B型より幅広い方が入居対象です。
- 一般型(自立型):60歳以上で自立した生活に不安がある方が対象です。
- 介護型:65歳以上で要介護1以上の方が対象。特定施設入居者生活介護の指定を受けており、施設のスタッフから24時間体制で介護サービスを受けられます。
都市型軽費老人ホーム
地価の高い都市部向けに、居室面積や人員配置の基準を緩和した定員20名以下の小規模な施設です。原則60歳以上で、施設のある市区町村の住民が対象です。
軽費老人ホームA型・B型の新設は終了

軽費老人ホームのA型とB型は、ケアハウスが創設された1990年以降、新たに建設されていません。そのため、既存の施設は老朽化が進んでいるという課題があります。今後、A型・B型施設を建て替える際には、ケアハウスへ移行(統一)することになっています。
軽費老人ホームのメリットとデメリット

入居後に後悔しないためにも、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。
軽費老人ホームのメリット
- 入居費用が安い:自治体の助成があるため、費用負担を抑えられます。
- 個室でプライバシーが保たれる:原則として個室が提供されます。
- 入居者同士の交流ができる:レクリエーションなどを通じて、孤独感を和らげ、生きがいのある生活を送れます。
- 要介護度が上がっても安心:介護型ケアハウスであれば、介護度が上がっても住み続けられます。
軽費老人ホームのデメリット
- 施設数が少なく入居が難しい:人気が高いため待機期間が長くなる傾向があります。
- 老朽化した施設もある:特にA型・B型は築年数が経過した建物が多いです。
- 共同生活への適応が必要:個室はあっても共同生活が基本となるため、人付き合いが苦手な方には負担となる場合があります。
軽費老人ホームの入居にかかる費用

入居にかかる費用は、軽費老人ホームの種類やご本人の所得によって異なります。以下はおおよその目安です。
| 種類 | 初期費用(入居一時金) | 月額費用 |
| A型 | 不要 | 約6.5~15万円 |
| B型 | 不要 | 約3~4万円 |
| C型(ケアハウス) | 0~30万円程度 | 約7~20万円 |
| 都市型 | 不要 | 約10~12万円 |
※月額費用のほか、介護サービスを利用した場合は所得に応じた自己負担額(1~3割)や、医療費、日用品費などが別途必要です。
入居手続きと必要書類

入居手続きは、各施設に直接申し込みます。申し込み後、施設の担当者による面談が行われ、心身の状態や経済状況などを総合的に判断して入居が決定されます。
一般的に、手続きには以下の書類が必要です。
- 入居申込書
- 住民票
- 健康診断書
- 所得証明書
- 身元保証書 など
※必要書類は施設によって異なりますので、事前にご確認ください。
認知症でも入居できる?

軽費老人ホームには、認知症の方の入居に関する明確な規定はありません。そのため、症状が比較的軽度で、共同生活に支障がないと判断されれば入居できる場合があります。ただし、対応は施設の方針によって大きく異なるため、入居相談時に必ず確認が必要です。
有料老人ホームへの入居もご検討ください

軽費老人ホームは費用を抑えて安心して暮らせる施設ですが、施設数が少なく入居待ちが長い、介護度が上がると退去が必要になる場合がある、といった側面もあります。
「より早い入居を希望したい」「設備やサービスの質を重視したい」とお考えの方は、ぜひ有料老人ホームスーパー・コートをご検討ください。
有料老人ホームスーパー・コートは、ホテル運営のノウハウを活かした「おもてなしの介護」を提供しており、入居者の皆様に安心でいきいきとした毎日をお送りいただけます。また、施設によっては看護職員が24時間体制で常駐し、重度の医療的ケアが必要な方のご利用も可能です。
ホームページやお電話でのご相談を心よりお待ちしております。
有料老人ホームスーパー・コートの見学お申し込みはこちら
有料老人ホームスーパー・コートの資料請求はこちら
有料老人ホームスーパー・コートへのお問い合わせはこちら
監修者

花尾 奏一 (はなお そういち)
介護主任、講師
<資格>
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
<略歴>
有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。







