ホスピスとは？受けられるケア内容や施設ごとの違い・費用を解説

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ホスピスとは？緩和ケアとの違い、受けられるケア内容や費用を解説

人生の終末期を穏やかに過ごすための選択肢として、「ホスピス」があります。
ホスピスとは、がんやその他の進行した病気により、治癒を目指す治療が困難になった方が、身体的・精神的な苦痛を和らげ、残された時間をその人らしく過ごすための施設やケアの総称です。ご本人が安らかな最期を迎えられるよう、多方面からサポートします。
「ホスピスでは具体的に何をしてくれるの？」「緩和ケアとは違うの？」といった疑問をお持ちの方のために、この記事ではホスピスで受けられるケアの内容や、ケアを提供する場所ごとの違い、費用の目安について詳しく解説します。

ホスピスとは、穏やかな最期を迎えるためのケア

ホスピスは、もともと「旅人がもてなしを受ける場所」を意味する言葉でした。現代では、人生の最期の旅路を歩む人が、心安らかに過ごすためのケア（ホスピスケア）や、そのケアを提供する施設を指す言葉として使われています。

終末期患者が自分らしい最期を迎えるための場所

日本では、主に病院内に設置された「緩和ケア病棟」がホスピスの役割を担っていることが多いですが、近年では有料老人ホームや在宅でもホスピスケアを受けられるようになっています。

ホスピスの目的と入居条件

ホスピスの目的は、延命ではなく、痛みや苦しみを和らげ、残された日々を自分らしく、尊厳を持って生き抜くことを支える点にあります。
そのため、入居の対象となるのは、がんやエイズ（後天性免疫不全症候群）、難病など、治癒が望めない病気を患い、ご本人が苦痛を和らげるケアを希望していることが基本的な条件となります。
ご本人が病状を正しく理解し、納得した上でケアを選択できるよう、病名告知がされていることを入居の条件とする施設がほとんどです。

ホスピスに入居するタイミング

ホスピスケアを開始するタイミングに明確な決まりはありません。積極的な治療による身体的な負担よりも、苦痛を緩和し、生活の質（QOL）を維持することを優先したいと考えた時が、入居を検討する一つのタイミングと言えます。

ホスピスで受けられるケアの3つの柱

ホスピスでは、病気の治癒を目的とした治療は行いませんが、苦痛を和らげるための医療やケアは積極的に行われます。

1. 身体的ケア

痛み、息苦しさ、吐き気、だるさといった身体的な苦痛を最小限に抑えるためのケアです。

医療用麻薬などを用いた積極的な疼痛コントロール
症状緩和を目的とした放射線治療や酸素吸入
食事・入浴・排泄の介助、床ずれ予防、口腔ケアなど

生命維持のみを目的とした延命治療は行いませんが、ご本人の苦痛を和らげるための医療行為は最大限行われます。

2. 精神的ケア

死への恐怖や不安、孤独感、怒りなど、終末期に抱える複雑な感情に寄り添い、心の平穏を保てるようにサポートします。

臨床心理士などによるカウンセリング
音楽療法やアロマテラピーなどのリラクゼーション
季節のイベントやレクリエーションの開催
宗教家（僧侶や牧師など）による心のケア

ご家族がいつでも面会でき、大切な時間を一緒に過ごせるような環境づくりも重視されます。

3. 社会的ケア（ソーシャルケア）

医療費の心配や、相続、葬儀のことなど、経済的・社会的な問題に対する不安を軽減するためのサポートです。
医療ソーシャルワーカーなどの専門家が、利用できる支援制度の情報提供や手続きの支援、ご家族の悩み相談などに対応します。

ホスピスケアを提供する場所ごとの違い

	緩和ケア病棟	ホスピス対応の老人ホーム	在宅ホスピス
場所	病院内	介護施設	自宅
特徴	医療体制が最も充実。医師・看護師が24時間常駐。	生活の場であり、比較的自由な暮らしが可能。看護・介護体制は施設による。	最も自由で、家族と過ごせる時間が長い。
メリット	容体急変時も安心な高い医療レベル	症状が安定しても住み続けられる。生活の自由度が高い。	住み慣れた環境で過ごせる。費用が比較的安い。
デメリット	入院期間に制限がある場合も。生活の自由度は低い。	夜間は看護師が不在の施設もあり、医療体制は病院に劣る。	家族の介護負担が大きい。急変時の不安。
主な対象者	医療的管理が必要な方、症状が不安定な方	比較的症状が安定している方、長期的な療養を望む方	自宅での療養を強く望み、家族のサポートが得られる方

ホスピスにかかる費用の目安

ホスピスケアを利用する場所によって、費用の内訳や適用される保険制度が異なります。

緩和ケア病棟に入院する場合

緩和ケア病棟への入院には、医療保険が適用されます。厚生労働省の承認を受けた緩和ケア病棟では、治療内容にかかわらず1日あたりの医療費が定額となっており、所得に応じてその1〜3割が自己負担となります。

入院期間	入院料（日額）
30日以内	48,700～51,070円
31～60日以内	44,010～45,540円
61日以上	32,980～33,500円

参考：厚生労働省「令和４年度診療報酬改定の概要　入院Ⅱ（回復期・慢性期入院医療）」
この入院料に加え、食費（1食460円が標準）や、個室などを利用する場合の差額ベッド代、おむつ代などの雑費が必要です。医療費の自己負担額が高額になった場合は、高額療養費制度を利用して負担を軽減できます。

老人ホームに入居する場合

老人ホームでは、居住費・管理費・食費といった月額利用料に加え、介護サービス費と医療費がかかります。介護サービス費には介護保険が、訪問診療や薬代などの医療費には医療保険が適用され、それぞれ所得に応じた1〜3割が自己負担となります。
施設の種別やサービス内容によって費用は大きく異なり、目安として月額150,000〜300,000円ほどかかる場合が多いでしょう。

在宅ホスピスを受ける場合

自宅でホスピスケアを受ける場合、訪問診療・訪問看護・薬代には医療保険が、訪問介護や福祉用具のレンタルには介護保険が適用されます。
医療費と介護サービス費の自己負担額を合わせて、月額50,000〜100,000円程度が費用の目安です。医療費には高額療養費制度が利用できるほか、介護サービス費にも負担の上限額が設けられています。

年齢	医療費上限額（月額）
70歳以上	18,000円
69歳以下	57,600円

参考：厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

まとめ：その人らしい最期のために、早めの相談を

ホスピスは、人生の最期を穏やかに、そして自分らしく過ごすための大切な選択肢です。「最期の話をするのは縁起でもない」と考えず、ご本人が元気なうちに、どこでどのようなケアを受けたいか、ご家族で話し合っておくことが後悔のない選択につながります。
ホスピスを希望する場合は、まずかかりつけの医師や病院のがん相談支援センター、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。
『有料老人ホームスーパー・コート』では、ご入居者様が最期まで安心してその人らしく暮らせるよう、多くの施設で看取り介護に対応しています。
特に「スーパー・コート東住吉2号館」や「スーパー・コート高石羽衣」などのナーシングホーム（看護強化型施設）では、看護職員が24時間常駐し、がん末期の方や指定難病の方など、医療ニーズの高い方のケアも可能です。
施設選びでお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
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