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老人ホームで着る服はどのようなものがいい?失敗しない服装選びを解説

老人ホームで着る服はどのようなものがいい?失敗しない服装選びを解説

老人ホームで着る服はどのようなものがいい?失敗しない服装選びを解説

老人ホームへの入居を控える中で、「どのような服を、何枚くらい持っていけば良いのだろう」と悩む方は少なくありません。 基本的に、老人ホームでの服装に特別な決まりはなく、ご自宅で愛用していた服を持ち込んでいただくことが可能です。しかし、収納スペースには限りがあるため、持参する衣類を厳選する必要があるのも事実です。

この記事では、老人ホームで快適に過ごすための服装や、準備すべき衣類の目安量について解説します。失敗しないための服装選びのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

老人ホームでの服装の基本

クローゼットから服を選ぶ高齢女性

老人ホームに入居されている方は、日頃どのような服装で過ごしているのでしょうか。服装のルールや、おしゃれを楽しむことの意義について解説します。

おしゃれを楽しむことが生活の活力に

多くの老人ホームでは服装に特段の指定はないため、ご自宅での生活と同じように、お好きな服装でお過ごしいただけます。お気に入りの一着を身にまとうことは、日々の生活に彩りを与え、意欲や活力の源となります。おしゃれをすることで、他者との交流や外出に対して前向きになれる方も少なくありません。身だしなみを整えることは、見た目を良くするだけでなく、気分を明るくする上でも大切な要素です。

一方で、毎日を快適に過ごすため、室内で着用する普段着は、軽くて動きやすく、体を締め付けないリラックスできるものが推奨されます。もし持参する服に迷う場合は、施設見学などの機会にスタッフへ相談してみると良いでしょう。

身体状況に合わない場合は見直しも

老人ホームでは、ご本人の意思を尊重し、可能な限り好きな服を着て過ごせるようサポートしています。しかし、麻痺や関節の拘縮(こうしゅく)などにより身体が動かしにくくなると、従来の服の着替えがご本人の負担になってしまう場合があります。無理な着脱は衣服を傷める原因になるだけでなく、身体的な苦痛にもつながるため、入居後に施設側から服装について提案されることもあります。その際は、専門家の意見を参考に、よりご本人に適した機能的な服装への変更を検討しましょう。

入居時に準備する衣類の目安

タンスに衣類をしまう様子

入居にあたり、どのような種類の服を何枚程度準備すればよいのでしょうか。衣類の量が多すぎると収納や管理が難しくなるため、適切な枚数に絞り込むことが大切です。

服の種類と枚数の目安

持参する服の種類と枚数は、以下の表を目安に準備することをおすすめします。

服の例 枚数の目安
普段着(上下) 季節ごとに5組程度
下着 季節ごとに5枚程度
靴下 5足程度(足首を締め付けないもの)
外出着 季節ごとに2組程度
羽織もの(カーディガンなど) 2~3枚
パジャマ 3組程度(習慣のある方)

パジャマは本人の習慣に合わせて

老人ホームでは、入居後もできる限りそれまでのライフスタイルを継続してもらいたいと考えています。そのため、これまで就寝時にパジャマを着る習慣がなかった方に、無理に用意していただく必要はありません。

外出着も忘れずに用意

施設での生活が中心となりますが、通院や買い物、季節のイベントなどで外出する機会もあります。外出は良い気分転換になりますので、季節に応じた外出用の服を数組用意しておくと良いでしょう。

オールシーズン着られる服が活躍

老人ホームの館内は空調によって一年を通して快適な室温に調整されているため、年間を通じて着られる服が重宝しますただし、高齢者は体温調節機能が低下しているため、肌寒い時にさっと羽織れる上着やカーディガン、ひざ掛けなどがあると非常に便利です。収納スペースは限られているため、特定の季節にしか着ない服は最小限にし、オールシーズン活用できる服を中心に準備するのが賢明です。

靴は「上履き」と「外履き」を準備

施設内では、安全確保のために上履きを着用するのが一般的です。特に指定がない場合がほとんどですが、着脱しやすく滑りにくいタイプのものを選び、洗い替えも含めて2足ほど用意すると安心です。また、通院などで使用する外履きも必要になります。足にむくみが見られる場合は、軽くて幅が広く着脱が容易な介護シューズが適していることもありますので、入居前に施設スタッフに相談してみましょう。

失敗しない服装選びのポイント

服を選ぶ高齢女性と介護者

老人ホームで着る服は基本的に自由ですが、ご本人が快適に、そして安全に過ごしやすい服であることが最も重要な選択基準です。ここでは、より具体的な服装選びのポイントを解説します。

身体状況に合った服を選ぶ

関節の拘縮や麻痺などがある方は、着替えの際に体に負担がかかりがちです。そのため、伸縮性に富んだ素材や、体を締め付けないゆったりとしたデザインのものを選ぶと良いでしょう。腕が上がりにくい方には、頭からかぶるプルオーバータイプよりも、カーディガンやシャツのような前開きの服が着替えやすくておすすめです。

身体への負担が少ない「軽い素材」の服

高齢者の方は、一日の多くの時間を室内着で過ごします。したがって、長時間着用しても身体的な負担になりにくい、軽い素材の服が適しています。体が動かしやすい服装は、体操や散歩といった活動への参加意欲を高め、気持ちを前向きにする効果も期待できるでしょう。

要介護度に応じた「介護服」も検討

介護が必要な方にとっては、おしゃれさに加え、ご本人や介護者が着替えさせやすい機能性も大切な要素になります。ご本人の要介護度を考慮し、動きを妨げない適切な服装を選びましょう。

立ったり座ったりしやすい服

衣類にゆとりがあったり伸縮性があったりすると、体の動きがスムーズになります特にズボンは、ウエストがゴム仕様のリハビリパンツなどが着脱しやすく、おすすめです。

着替えやすい服(留め具の工夫)

着替えを手伝う介護者

指先の巧緻性が低下している方の場合、ボタンのかけ外しが難しくなります。そのような場合は、軽い力で留め外しができるスナップボタンや面ファスナー(マジックテープ®)が採用された服を選ぶと、ご自身での着替えがしやすくなります。

留め具の種類 メリット デメリット
ボタン ・意図せず外れにくい ・指先の細かい動作が求められる
面ファスナー ・着脱が最も容易
・介護者が介助しやすい
・ゴミが付着しやすく粘着力が低下しやすい
スナップボタン ・ボタンより着脱が簡単
・面ファスナーよりは外れにくい
・ボタンと比較すると外れやすい

介護服はどこで買う?

介護用の衣類やシニア向けの服は、大型スーパーや百貨店のシニア向け衣料品売り場などで見つけることができます。店頭で購入する利点は、素材感やサイズを直接手にとって確認でき、店員に相談しながら選べる点です。また、近年では品揃えが豊富なインターネット通販を利用して介護服を購入する方も増えています。

服装選びで注意すべき点

ハンガーに掛かった服

服装に厳格な決まりはありませんが、安全面や管理のしやすさから避けた方が良い服もあります。

動きづらい素材の服

ジーンズのような硬い生地の服は、体の自由な動きを妨げ、転倒のリスクを高める可能性があるため、普段着としては避けましょう。伸縮性のあるポリウレタンや、滑りの良いポリエステルなどが含まれた素材がおすすめです。

高価な服や手入れが難しい服

高価なブランド品やクリーニングが必要なデリケートな素材の服は、老人ホームでの日常着にはあまり適していません。毎日の洗濯で傷みやすいだけでなく、万が一紛失した際に探すのが難しく、トラブルの原因となる可能性も否めません。気兼ねなく着用でき、家庭で洗濯しやすい服を選ぶことが大切です。

老人ホームでの衣類管理

洗濯物をたたむ様子

施設内での衣類の収納方法や洗濯のルールについても、事前に確認しておくと入居後の生活がスムーズです。

収納

居室にタンスや収納ケースが備え付けられているか、あるいは自分で用意する必要があるかは施設によって異なります。自分で用意する場合、持ち運びが容易なプラスチック製のチェストなどが多くの方に選ばれています施設見学の際に居室の収納スペースを確認し、適切なサイズの収納家具を検討しましょう。

洗濯

洗濯の頻度や方法は施設ごとに様々です。週に数回など、決まった曜日にまとめて洗濯を行う施設が一般的です。外部のクリーニング業者に委託している施設では、洗濯物が返却されるまでに数日かかることもあるため、下着や普段着は少し多めに準備しておくと安心です。

すべての持ち物に記名する

他の入居者の衣類と取り違えが起こるのを防ぐため、施設に持ち込むすべての衣類には必ず名前を記入しましょう衣類の品質表示ラベルに記名するのが一般的ですが、ラベルがない場合は、洗濯に強い布用のペンなどを使用すると便利です。

まとめ:本人が心地よく過ごせる服装でおしゃれを楽しみましょう

笑顔で服を選ぶ高齢の夫婦

老人ホームで着る服は、ご本人が自由に好きなものを選べるのが基本です。慣れない施設での生活において、お気に入りの服が心の支えとなることもあります。何よりも大切なのは、ご本人が快適に暮らせる服であることです。もし服装選びで不安な点があれば、入居前に施設のスタッフに必要な衣類の種類や枚数について相談してみましょう。

有料老人ホームスーパー・コートでは、介護サービスのみならず、質の高い生活支援を提供しています。施設内での洗濯はもちろんのこと、お気に入りの衣服を大切にしたい方向けのクリーニング手配も可能ですのでご安心ください。ご入居者様が楽しく快適な毎日を送れるよう、お一人おひとりに合わせたケアを提供いたします。施設見学も随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修者

監修者の写真

花尾 奏一 (はなお そういち)

介護主任、講師

<資格>

介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

<略歴>

有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。

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